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- 備後節織(びんごふしおり)
広島県 備後地方で江戸時代に生まれ 現在に織りつづけられる備後絣
この土地の生活、景色を織りのなかへ、息をふきこむように伝えてきた
綿を育て糸にして、藍で染めて、機を織る
着物にし、繕い、いずれ土に還るまで
その中にたのしみをもつことは、いまにもつづいている
備後節織(びんごふしおり)
備後絣(びんごがすり)から派生した新しい生地のブランドです。織り糸に膨らみのあるポコポコとしたネップ(節)が入っていて、手織りのような温かみのある素朴な風合いがします。
(刷毛目柄 墨)
(小雨縞 藍)
現在にのこる2軒の織元
昭和40年代頃に250軒あった織元は、衣服の変化とともに縫製工場などにかわり、現在残るは2軒のみと
なりました。
現代は着物に仕立てる着尺(小巾こはば)が売れるのは限度があるので、それより洋服として使われる
広巾(ひろはば)に切り替え生産を続けています。
森田織物 (昭和38年創業)
糸の染めは、すべて天然染料をつかっています。
柿渋は染めたときはグレーですが、陽に当たると色がかわります。
藍染めも陽の当たり方、夏と冬で色が変わり、毎回同じ色はでないそう。
織機は自分で手入れして使い、部品が壊れた時は同じものは売っていないので、オーダーして作って
もらっているそうです。
橘高兄弟商会(大正9年創業 )
清らかな地下水が湧きでる土地で、糸の染め、洗い、織り、製品までを一貫して生産しています。
天然染料(柿渋、アカネ、ザクロ)や、化学染料など多種類を使い、色バリエーション豊富な生地をつくっています。
藍に草木を混ぜると、緑がかった古布のような感じになったり、
柿渋染めは、井戸水があたると鉄媒染がかかったように染まるそうです。
新しい色、柄、自ら着たいと思う生地を作りたいと、日々考案しています。
糸を染める
藍や柿渋、墨汁などの染料で染色し 天日に干して色をなじませる
天気の様子をみて作業を進める 晴れの日を待つこともしばしばある
糸を織る
昭和30年代に製造された旧式のシャトル織機で、ゆっくりゆっくり織る
1日1反=約30メートル
織機に立ち合い、糸を入れたり調整したり、付きっきりで作業する
*シャトル織機=昭和30年代の旧式シャトル織機 上下に開いた経糸の間に、緯糸を内蔵したシャトルを使い
左右に動かして糸を打ち込みゆっくりと織る
木綿ならではのやわらかい風合いを生かして織ることができる