硫化ブラックのはなし。

今期作った吊り裏毛の「硫化ブラック」。
一般的なブラックとは別物なんです。
「硫化染め(りゅうかぞめ)」と言われる昔使われていた染料があり、今回それを使っています。
硫化染料は色数が少なく、扱う工場も限られてきます。
そしてまた工場にお願いしても染めムラが出やすい染料の為、
生地染めができるところは限られていますが、
ブラックならできると言われ、今回硫化ブラックだけ作ることができました。

硫化染料はインディゴと似たような性質で、摩擦堅牢度が悪く、色落ちしやすいです。
そのため、デニムの経年のように着用と洗濯を繰り返すと味のある雰囲気になります。
なぜ今回この硫化染料のブラックを使ったかというと、
ブラックが色落ちしたときの「色の抜け方」が好きなんです。
吊り裏毛は何十年も着られるような、とても丈夫な裏毛。
その為、今でもヴィンテージのスウェットでブラックの吊り裏毛も見かけます。
硫化染料で染められたブラックの色の抜け方は ブラック→グレー→白と変化していきます。
一方で、現代主流である反応染料の経年はブラックから赤みに変化します。
わたしはこの硫化染めの白くなっていく経年がとても好きです。
着ている人によって、経年具合が違うところもいいですね。

現代では中々作れなくなってきた「吊り裏毛」と「硫化ブラック」。
昔の作り方で作られた今回のスウェットシリーズの経年変化を楽しんでください。
今回作った吊り裏毛はかなり丈夫なので、頻繁な洗濯を繰り返してもヨレません。
ブラックの経年を早く見たい方は洗濯を沢山してみてくださいね笑
ただ移染するので洗濯にはご注意ください。